54.十二国記-2 (「白銀の墟 玄の月」第一・二巻の感想、考察)
遂に発売になりました、十二国記の新刊「白銀の墟 玄の月」。お待ち申し上げておりました…!
2019年10月13日。朝一番で本屋に駆け込み、3店舗ほどカフェをハシゴしながら読みふけりました…至福の1日でした。新しい服と靴で臨み、本屋の店員さんとアイコンタクトとかできないだろうかとソワソワしたりして、我ながら気持ちの悪いほどの気合いの入りようだった。
一巻を読みながら、何度も泣きそうになって、本を閉じて呼吸を整えてまた開く…を繰り返していました。泰麒が戴国の民に出会い、「よくぞお戻りに」と言われるたびに胸が熱く、痛くなって。でも、それでも、やっと還ってきたんだなあ…と。特に一巻P.80の、東架の同仁が泰麒に伝えた言葉は重かった。読むたびに涙が溢れます。
想像以上に戴国の状況は酷く、仮朝は混沌としていて薄寒かった。そして二巻の途中からは「あれ…これ十二国記…?もしや…屍鬼では…?」と混乱してしまいました。蔓延していく病と鳩が怖すぎる。そして二巻を読み切って呆然。この状態で1ヶ月弱待つのは確かにキツい!けど十二国記の根幹に迫っている感じがしてワクワクしています。整理しながら、11月の三・四巻を待ちたいと思います。
※追記:11月9日、第三・四巻を読んだ感想&考察です。
昨年12月に既刊を読み返し、自分用メモとして各国の状況を纏めていましたが(下記の記事)、今回も纏めておきたいと思います。考察とも呼べない、本当に自分のための「疑問と仮説」メモです。11月に答え合わせするのが楽しみだ―!
※以下、ネタバレ満載です※
第一・二巻を読んだ感想
・戴国が六年間抱えてきた矛盾(正しい王の不在と国の荒廃)は、王か麒麟のどちらかの崩御でしか正されないのだと思っていたから、万が一、驍宗が本当に亡くなったのだとしたら、これから「あるべき姿」に整っていくのでは…とは思う(もちろん、驍宗には生きていてほしいけれども‼)
・泰麒の作戦とは何だったのか(今も正しく進んでいるのか否か)?阿選の幻術(鳩?)が何なのか…多くの謎があるけど、改めて無慈悲なまでの十二国記の「天の理」について考えることで見えるものがありそう
昨年考えていた疑問(十二国記の世界観について)
天帝は実在しているのか?ならば何故、戴のような不遇な国を助けてやらないのか。王が道を外れれば麒麟が重篤な病に陥り、麒麟も王も身罷るという世界。国が傾き、王が不在の国は妖魔が湧き、天災が続き、荒民が溢れる。
遵守しなければならない「理」が多く、新しい試みを行いたい時は都度、逸脱しないかどうか?を玉京で協議しなければいけないという、網目のようなルールが張り巡らされている世界。
十二国で成り立つシンプルな世界だけれど、国交がないために情報が共有されていない。そんな、整然としているようで、どこか歪な世界を、陽子達が変えるのか、変えられないのか…が非常に気になる
第一・二巻を読んでの疑問点(11/4更新)
・驍宗の謎
- 驍宗が六年前に成そうとしたことは、何なのか?「黄昏の…」P.209にあるように「阿選が裏切るかどうか」を試そうとしたのか?【本文より】泰麒(供として阿選も)を漣に訪問させ、その間に粛清(冬狩)を行った。泰麒と阿選が戴に戻った直後、文州で乱が発生。騒乱の様子から、何者かが驍宗を首都から誘い出そうとする謀略では…という噂があった
- 驍宗は六年前、誰に殺されそうになったのか?「赤い鎧で揃えた集団」とは何者なのか?(最終的に、誰の手勢を率いて別行動をしたのかわからなくなったので、整理したい)もし彼らが「阿選の手勢ではない=阿選が首謀者ではない」のであれば、六年前の時点で、阿選も「病にかかっていた」可能性が高いのでは?
- (驍宗が生きていたとして)六年間、身を隠していた理由は何なのか?
- (二巻終了時点で)驍宗は、生きているのか?
・六年前の文州で、何が起きたのか?
- 六年前、文州にて。驍宗は禁軍右軍(阿選軍)から二師を割いて率いてきた。豊沢へ向かう行軍の最中、軍の中央に居た驍宗は後軍の霜元と合流すると言い、選卒二十五騎と留まり、行方不明に。翌日、計都がただ一騎で戻ってきた(自ら降りた?)。霜元曰く”失踪前夜に驍宗が「内密で兵卒を借りたい」と依頼。選抜した精鋭十五名に直接指示を出し、その夜のうちに精鋭は姿を消した。驍宗の指示は霜元にも不明” →驍宗の麾下二十五騎は阿選軍。驍宗は、それを見張らせる為に、精鋭を別行動させていた?
- 喜溢・李斎による、浮丘院での聞き込み 証言1:陣営近くの廟の付近の林の中で、驍宗と二、三人が相談事をしていた。うち一人は嫌らしい赤黒い鎧をつけた顔色の悪い武将。乱の後、志邱が誅伐に遭った時、先頭に立ち民を狩った者。嬉々として女子供を狩る下劣な兵卒。この者が、一般人らしい男を示しながら驍宗に説明している様子だった
- 喜溢・李斎による、浮丘院での聞き込み 証言2:嘉橋から轍囲に抜ける山道にて騎獣に乗る一行。驍宗の周囲にいた兵卒は赤黒い鎧姿で統一していた。夜、騎兵の一団が降りてきたが、驍宗の姿が無かった
・泰麒の作戦と真意は?
- なぜ阿選のもとに参じたのか。なぜ彼を「新王」と呼ばわり、”王気がある”、”貴方が王だ”と言ったのか?
- 驍宗の生死がわからない状況で、天意が無いのに「王」と呼んでもいいのか?(呼ぶことは可能なのか?)あるいは「もう麒麟ではない」から嘘を付けたのか?もしくは、本当に驍宗の王気が絶えた(死んだと確証できた)のか?
- 角を失くした泰麒は只人なので、天命を聴くことはできない=王気が絶えるのを気付けないのでは?(黄昏の…394pで玉葉〔玄君〕が"(只人なので)王気も見えぬ"と言っている)
- 目的は麒麟として民を助けること?(驍宗を助けることではなく?)麒麟としての責務を果たすなら、戴国のことを思うなら、驍宗に固執するのは正しくないように思う。しかし「御前を離れず忠誠を誓うと誓約する」という誓約があるので、王が失道しない限りは(驍宗が身罷っていない限りは)驍宗を求め続けるのが筋の筈…
- 二巻では驍宗の禅譲が必須だと言い、阿選の新王を公表してはと張運を促した。また瑞州の州宰に恵棟を任命した
- (二巻P.320、帰泉と品堅の対話にて、仮説)驍宗が討たれた時、既に天から失道と見なされていたから、阿選の行為は罪に値しなかったのでは?
・阿選の真意は?
- そもそも、何がしたくて謀反を起こしたのか?王位につくこと、戴を治めることが目的ではなかった?(国土を破壊し、政治も放り出している…)ただただ、驍宗が憎かっただけ?
- なぜ驍宗を討ったのか?驍宗が何かをすると知って討ったのか?驍宗を討たねば戴が酷い目に遭うから?(しかし王と麒麟が不在になること以上に、国にとって酷いことなどあるのか?)
- 泰麒の角を切ったのは阿選(二巻P.25で「私を斬った」と告げているので、阿選に間違いない)。泰麒に告げた「驍宗を選んだあなたが悪い」とはどういう意味なのか?
- 阿選が偽王として起った後、政を何もしていないのは、何故なのか?
- 幻術を使うのか?鳩の存在とイコールか?魂を抜いているのか?
- 琅燦が語った「阿選が弑逆者であることを抜きにしても絶対に次王になり得ない理由」とは、何なのか?(驍宗と同じ朴姓だから?)
・病と鳩の関係は?
- 鳩が鳴くと(ターゲットとしてロックオンすると?)魂が抜けたようになるのが、「病む」という現象?【本文より】魂魄を抜かれた人形のようになると、六寝付きの天官になっている(阿選の周囲に集められている)
- 阿選が魂を抜いているのか?もしくは、阿選も魂を抜かれているのか?(だとしたら、誰に?いつから?)
- ”鳩の声”が聴こえる場面…二巻P.45にて、内殿の中、暗い廊屋の途中/二巻P.208、平仲と浹和の会話にて。頭の芯が重く鈍い頭痛のような不快感が取れない平仲が‘どこかに鳩がいる、夜中に突然鳴くから眠れない’と言い‘そうね、いるわね’と返される/二巻P.291にて、黄袍館にも鳩が居着いている(項梁の独白)。平仲に続き、徳裕の様子もおかしい
・琅燦について
- 琅燦の狙いは?驍宗の配下でありながら、現在は阿選の重臣(とはいえスタンスは中立を保っているようにも見える)
- 二巻P.28より、”白雉は落ちていない=驍宗様は死んでいない、阿選は簒奪者”と言う。しかし泰麒の出任せとも断定しなかった。阿選が王なのかどうか、どうやって確認すれば?と張運に問われ、泰麒を斬らせてみればいい、使令が黙っていないだろうと告げた。泰麒の使令が不在なことを知らないので、この案が出てくるのは致し方ないのかもしれないが、それよりも「阿選に額ずけるかどうか」を試す方が安全なのでは?そちらの方がすぐに思いつきそうだが…
- 「黄昏の…」P.185、泰麒に「文州の蜂起は驍宗を倒すための謀では」と吹き込んだのは彼女。これが「李斎や正頼は泰麒が幼いから嘘を言う」と不信を抱かせるきっかけになった。何が狙いなのか?
- 新キャラ耶利の主公は、彼女ではないかであれば、泰麒達の味方である、ともとれる
- 張運の見立てでは‘最も阿選に近い者’であり、‘その関係はほぼ対等’の共犯関係にある
・泰麒が膝をついた理由
- 第二巻P.159。北の地域で雪が降り始めた頃。瑞州の州宰、士遜に州六官との引き合わせを命じて立ち去ろうとした時、‘微かに声を上げ、足が止まり、大きく天を仰ぎ、がっくりとその場に膝をついた’‘何かに驚いたように目を瞠り、床の一点を見据えていた’。立ちくらみがしただけと言った時には血の気が戻っていた
- 第二巻P.408より。泰麒が李斎らと別れたのは降霜のころ。老安で武将が死んだ時期と一致する
登場人物や戴の人々の状況(10/22更新)
- 泰麒…驍宗を探す為、李斎と共に戴へ帰還。碵杖の道観に宿泊した翌朝、李斎を置いて旅立った。李斎には別行動を取る、李斎は文州に向かい驍宗を捜すよう言い置き、項梁だけを伴って白圭宮へ。阿選を新王と呼び、宰輔としての職責を全うさせるように朝廷に迫るもままならない。不意に天を仰いで膝をついた不調以来、北の方を眺めていることが多い。朝は必ず庭園の路亭に出向き、北に向かって何かに祈るように一礼する(王宮の深部に向かって礼拝?)。阿選の登極には驍宗の禅譲が必要のため王宮に連れてくるよう恵棟に指示
- 驍宗…行方不明。六年前に起きたことについては別途(上記)
- 阿選…謀反の後、朝廷を統べるものの、王宮の奥に閉じ籠もったままほとんど表に出てこない。推参した泰麒を呼び、自身が新王かどうかを確かめる為(泰麒の本気度を確かめる為?)腕を斬った
- 李斎…泰麒と共に戴へ帰還。東架を出てから半月を過ぎた頃、琳宇に到着
- 正頼…行方不明。瑞州令尹で泰麒の傅相。阿選の謀反後、国庫の中身を隠匿した罪で捕らえられ、激しい詮議を受けているという噂。阿選麾下の軍医が一人付いている模様
- 英章…行方不明。六年前:禁軍中軍の将軍として文州に。阿選謀反を知り、麾下の誓約書を持ち逃げた。依然行方知れず(連絡役の麾下 俐珪が行方知れずの為)
- 巌趙…六年前:唯一、鴻基にいたのが巌趙軍。軍は阿選軍に編入された模様。禁門そばの厩舎で計都の世話をしている。耶利と対話している
- 臥信…行方不明。六年前:文州に出征。首都防衛のため呼び戻されたが、鴻基に着いて一両日中に姿を消した。正頼と結託して密かに国帑を持ち出した可能性あり
- 霜元…行方不明。六年前:文州に出征。瑞州師。驍宗が行方不明になった直後、状況説明の為に鴻基へ戻った。承州の乱の平定を指示された李斎を支援するようにと軍の半数を率いて承州へ。残された軍は文州で離散、霜元自身も率いた士卒と共に承州で姿を消した
- 潭翠…行方不明。六年前、泰麒の警護を行う大僕だった。謀反の疑いをかけられた芭墨が出奔した折に同行し行方知れず
- 芭墨…死亡。六年前の夏官長。李斎謀反に異を唱えていた。王宮を脱出したが委州にて処刑(冢宰 詠仲は死亡、天官長 皆白は行方不明)
- 琅燦…六年前は冬官長。現在は太師、実質上は今も冬官を指揮。阿選に重宝されている模様
- 張運…六年前は春官長。驍宗の麾下ではなかった。現在は冢宰。阿選が閉じ籠るのをいいことに、好き放題に取り仕切っている
- 花影…行方不明。驍宗との縁が深かった為、謀反の疑いをかけられ出奔
- 平仲…白圭宮に推参した泰麒の世話係となった天官寺人。先日まで司声だった。よく務めていたが、様子がおかしくなってから出勤しなくなった。浹和が自宅を訪ねると侍官が役目を変わったと言う。鳩の声がした
- 浹和…六年前は典婦功だった女官。白圭宮に戻った泰麒の世話係を務める。ひそかに立昌の間諜を担っている
- 立昌…太宰。春官長の府吏から大抜擢された
- 項梁…禁軍中軍師師の楚。暗器の使い手。英章の麾下だった
- 徳裕…黄医・文遠の部下。阿選の手により負傷した泰麒の加療のため、随従として世話係に
- 去思…瑞雲観の生き残り。東架を拠点に、丹薬の技術を絶やさない為活動していた道士
- 喜溢…浮丘院の都講
- 酆都…委州出身の神農。淵澄も厚く信頼している人物。泰麒らと共に旅をする
- 杉登…巌趙の麾下。巌趙軍の師師を務めていた
- 耶利…白圭宮の禁門付近を自由に動ける少女。獣のような身のこなし、腰の左右に双刀を付けている
- 耶利の主…阿選が新王はあり得ない、驍宗が身罷っても阿選が次王に選ばれることはないと断言し、願いは戴を救うこと=玉座に驍宗がつくことと言い、泰麒の警護に耶利を派遣した
- 葆葉…白琅を拠点にする豪商。荒民から鑑札のない石を買い付ける裏商売をしている。牙門観で金属鉱の精錬を行っている可能性がある(去思の考察)
- 戯れ歌を歌う人 1:洞窟の中の人…一巻P.96/窖で横たわる人物。回生の主人。夏の終わりに風邪を引いて寝付いている。六年前、満身創痍で里に運び込まれてきた。回生に懐剣を授けた後に死亡。「一緒に宮城を取り戻す」と言っていた
- 回生…戯れ歌を歌う洞窟の中の人の部下を自認している少年。四年前、父が妖魔に襲われた時に、洞窟の中の人に救ってもらった
- 戯れ歌を歌う人 2:文州。焚火のそばで抱え込んだ膝に顎を載せた男。荷運びを務める若者(神農?)と同行している
- 戯れ歌を歌う人 3:新月の夜、少女が籠を流した場所からさほど離れていない暗闇に蹲る人影。片膝を抱えて蹲る
- 白幟…文州の乱以降に流行り始めた民間信仰。函養山を巡礼すれば昔函養山にいた神仙が甦ると信じている(朽桟は、実は組織された集団で、いずれ函養山を盗む為に土匪の動静を探っていると疑っている)
- 朽桟…土匪の頭目。六年前の騒乱時、兄貴分の支援をつとめ、函養山付近の警備や、近隣の里を攻めて民を排除していた。「誰かに利用された」気がしていた
- 函養山の小さな廬に住む少女…新月の夜、父親が必ず近くの山に供物を捧げに行く。谷川の淵から供え物を流す。淵の奥には穴があり、その向こうに洞窟がある。籠には食べ物や小銭、着物が入っている
- 赭甲集団…驍宗が行方不明になった際に率いていた手勢。赤黒い鎧を着用。朽桟曰く、質のよくない連中で、気配に聡く、土匪が震え上がるほど残忍で腕が立つ。しかし李斎の記憶にはない
- 銀川…南斗近くにある里。門を閉ざすほど困窮しているようには見えず怪しい、と李斎らが睨む。里家は閉ざされている。見回った李斎達を男たちが襲った(撃退されて逃走)
- 老安…函養山の南東にある、山の高地にある貧しい里。民の数に合わない傷病用の薬を六年前から求め続けていたが、不要になった。剣もしくは槍を五振り都合してほしい、と習行に依頼。白髪で眼が紅い武人が匿われていたが亡くなった、と兵卒あがりらしい男女が証言した(女兵士…菁華。文州師。遺言通り、台輔を探そうと冬器を求めていた)。
- 老安の武人(=戯れ歌を歌う人 1)…民が主上と呼べば振り向くが、一度も肯定したことはない。瀕死の状態から養生していたが、身体を作ろうと焦って無理をしては倒れるのを繰り返していた。夏の終わりに「せめて台輔を」と呟いて亡くなった(李斎らの動きが噂になっていたため、老安の民に毒殺された可能性がある)
- 習行…琳宇の神農。徒弟の余沢と、護衛に雇った静之と旅をしている
- 静之…瑞州師右軍にいた兵卒。臥信の部下。鼻歌で戦城南(戯れ歌)を歌う
- 白汕子…登場無し。蓬山で預かり中?
- 傲濫…登場無し。蓬山で預かり中?
既刊より、関連事項をメモ
・麒麟とは
- 麒麟は王に絶対の忠誠を誓う。「御前を離れず忠誠を誓うと誓約する」→であれば、驍宗が生きているなら、阿選を王と呼ぶのは「偽装」なのでは?
- 麒麟は孤高不恭の生き物。王以外には従わず、決して王以外の前で膝を折らない
- 王は麒麟の主人。麒麟は決して王には背かない。麒麟は断じて人に害意を抱くことのできない生き物だが、王が命じれば話は異なる
- 麒麟は一国に一と決まっている。王を主人に持っているか、王を捜しているか、それ以外はない
- 麒麟は天意によって王を選ぶ
- 王が死ねば、離れていてもわかる(王気が絶える)
・王の役割やルール
- 王は統治の指標を示すのが仕事。王は法律を制定する、これを地網という
- 天が王に対して与える決まりを施与網(天網、太網)という。地網も施与網を侵して定めることはできない。太網に触れないかぎり、王は自国を好きに動かして良い(楽俊)
- 王の践祚に際して様々な祥瑞がある
- 王は麒麟が選ぶ。麒麟の選定なしに王を名乗れば偽王と呼ばれる
- 天命が下った王は変えようがない。王には国を治める義務がある。王を失った国は荒れる。国が荒れれば天は王を見捨てる。麒麟が失道に陥る。王は死ぬ
- 王には決して犯してはならぬ罪が三つある。一つは、天命に逆らって仁道に悖ること、いま一つは天命を容れずに自ら死を選ぶこと。そうして最後の一つが、たとえ内乱を治める為であろうと、他国に侵入すること
- 天が天命を革めるにあたって、同姓の者が天命を受けることはない
・失道について
- 王が道を見誤り、天命を失うと麒麟が病む。この病を失道という。麒麟が死ねば王も死ぬ(王を神にしたのは麒麟のため)
- 王が死んでも麒麟は死なない
- 王になるということは死んで神に生まれ直すということ。王でなければ生き続けることはできない(景国の予王は自ら蓬山に登り退位を申し出、麒麟を手放した)
TwitterやWEB上で、多くの方が考察されていますね!リアルタイムで、皆で謎解きをしている感じ、めちゃくちゃ楽しいです。
参考にしたい考察サイトをいくつか。
随時、追記しています。新刊→既刊読み直しをしてきたので、これから新刊2周目に入ります!楽しみすぎる。
思えば私、十二国記シリーズを読む前に「魔性の子」を読んでいたので、高里要が”初めての主人公”なのですよね。なのでこの「白銀の墟 玄の月」は、本当に”還ってきたんだなあ”という妙な感慨が込み上げる、特別な作品になりそうです。
シリーズ最後の長編ですしね。ああ、早く三・四巻が読みたいような、終わってほしくないような…!複雑!