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好きなことだけ語りつくすメモです。

43.BORDER

平成の終焉が迫る3月末の週末、とても今更なのですが「BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係」にハマりました。最高か…!!!

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最近ずっとNetflix漬けだったので、たまにはAmazonPrimeを覗こうかな~と見てみたら、好みっぽいにおいのする小栗旬のビジュアルが目に入って。たまたま時間があったので、それまで敬遠していた連続ドラマ物でしたが、まあいいかと再生して…開始15秒で「やべえ」となりました。「アンナチュラル」を見た時以来の衝撃です。すごい完成度。たまらない!!

私にとって、最新の小栗旬のイメージは映画「銀魂」 だったので、このクールで正義感の強い刑事と、銀さんとのギャップが凄まじかったです。笑

 

「BORDER」のアウトライン

頭部に銃撃を受け、脳内に弾丸を残したまままの捜査一課の刑事・石川安吾。奇跡的に命を取り留めるも、「死者と対話する」という特殊能力に目覚めてしまう。力を行使し、被害者や犯人(死者)の声を聞きながら、「犯人を先に知る」独自の捜査方法で、闇に埋もれそうな犯罪を暴いていく。

#1|BORDER|テレビ朝日

 

先に「正解」を知っている状態で、どうやって証拠を集めていくのか?という変わった趣向の刑事ドラマです。時には恐喝や不法侵入といった犯罪スレスレのことにも手を染めていく石川刑事。全9話を通して、少しずつ、彼の考え方や状況と、周囲の協力体制や関係性が少しずつ変化していくのが、なんというかリアルで。緻密な構成、魅力的なキャラクター達、本当に最高です。比嘉先生、同僚の立花、上司の班長、赤井・サイモン&ガーファンクル、スズキさん。皆「いいキャラ」過ぎる。

タイトルの「BORDER」も秀逸。「生と死の境界で揺れ動く」「生者と死者の狭間」「正義と悪のボーダーライン」と、様々な”境界線”を表す「BORDER」だったんだなと、最終話まで完走した後、しみじみ実感しました。すごいドラマだ。

 

各話の感想メモ

もう全シーンが好きなのですが、特にイイなー!と思った細か過ぎるポイントをメモします。自分の備忘録的に。

※ネタバレしています※

第一話「発現」(2014年4月10日放送)

・開始15秒で主人公が死ぬという衝撃。

・緊急出動要請をコンビニで受けて、我知らずにやっと笑ってしまう石川。ここで本性が既に見えてしまう演出
・「気合い入れろよ」立花のちょっかいをスルーする大人な石川。構わず突っかかる立花(そして班長に怒られる)ここオアシスですね…立花やな奴かなーと思っていたんだけど、ここからどんどんイイ奴になっていくのが凄い好き。笑

・石川(エリート)と立花(ツンデレ)が、険悪なようでいて、ドタバタしつつなんだかんだ仲良しなところが最高です。
・「あたしも一緒に見ていい?」「ん?ダメ」「ふざけんな」このやり取り最高。笑

・「ありがとうございました」「タメ口でいいって言ったでしょ」比嘉先生かっこいい!

・シリーズ中、二番目にムカつく犯人でした。ニートな息子・倉橋貴志(小柳友)と過保護な母親・倉橋由子(清水美沙)。こういう、共依存な親子関係は、リアルだなと思います。

・「ありがとう」と言われて、うっすら涙目になっている石川。切ない。

 

 

第二話「救出」(2014年4月17日放送)

・現場に向かう車で居眠りをする立花、寄り掛かられてめんどくさそうにあしらう&からかう石川。笑
・いきなり犯人が死ぬというOPでまたビビらせる演出。
・犯人の村上(不動産会社社員:丸山智己)もまた最悪な…霊体になっても苛々させる奴でした。被害者救出までの展開がスリリング。めっちゃ走りまくる石川。いい奴…。

・「ワープ!」「追跡ワープ!」のサイモン&ガーファンクル。笑 ふたりのルックスとこだわりの壁紙がいちいち凝ってて良き。

・ラスト手前、ハブにされて孤独を感じる立花。笑

 

 

第三話「連鎖」(2014年4月24日放送)

・被害者の整形に気付かなかったことを、立花にからかわれてどつく先生。笑 班長にもかばってもらえない&しつこいと言われる小学生男子な立花…

・「殺されて良かった人」がいるのかどうか、という。被害者(少年時代、殺人事件を起こした犯人)の言い分というか、性根が腹立つ…。けど、弱音を吐く石川に「暴力の連鎖、悲しみの連鎖を断ち切るのがアンタの仕事でしょ、単純でしょ?頑張ってね」という先生。かっこよすぎる。
・犯人の藤崎さん(夢の丘ニュータウン自治会長:平田満)の動機、わかる気がします…可愛い姪でもあったし、団地の「大人」として過去の事件を未然に防げなかったことへの罪滅ぼしでもあるし、団地を守り通したい気持ちもあったんだろう。歪んでいるかもしれないけど、間違っているとも言いづらい。こういう難しいストーリーを、地上波のドラマでやるって凄いなと思います。

・盗聴が班長にバレかけるも嘘をついて切り抜ける石川。「おまえ、あっち側の人間になるなよ」の言葉が重いです。

 

 

第四話「爆破」(2014年5月1日放送)

・爆発直後、音が消えた世界で、先生の元に寄っていく石川…生きてて良かった…
・比嘉先生を心配する立花。良かったね…直後、班長に自宅待機を命じられて「えっ!?家に居てもすることありません」「(舌打ち)幼稚園児かよ」めっちゃ笑った

・自宅待機を命じられコンビ「おまえさ、休みの時ってなにしてる?」「寝てる。おまえは?」「寝てる」笑笑 緊迫した事件シーンの合間にちょいちょい挟んでくる小ネタ堪らない

・「ビビッと来るような奴はいないな→ビビッと来た」で怒りモードの班長が登場。笑 この回隠れコメディ回ですね…

・犯人の八巻(警察官採用試験不合格者:渋谷謙人)影薄い

・ラストシーン「倦怠期の夫婦みたい」と会話する先生と立花に“もうそこまでの関係に…!?”とびっくりしたけど、居眠りしてふたりに見守られる石川というオチ。最高かよ…

 

 

第五話「追憶」(2014年5月8日放送)

・シリーズ唯一のコメディ?回。身元不明死体の幽霊(岡部)、宮藤官九郎が最高!初登場の表情からしてもうww へなちょこ幽霊っぷりといい、死因といい、無邪気な性格といい…ユーモラスたっぷりで、でももう亡くなってしまった人だから切なすぎて、そして溢れる家族愛に泣かされる。本当に素晴らしいコメディ&泣きの回でした。
・現場で「オス」と挨拶し合う石川と先生→「オウ」と声をかけて先生にスルーされる立花かわいそすぎないですかww

・石川と岡部のやり取りがいちいち面白すぎてww 「歴代の彼女の名前ですか?」とか、巡回に加わってるとことか、強盗犯の追走シーンで「かっこいい〜」→「ご苦労様です(キリッ)」「楽しやがって…」の辺りとか好き!ていうかこのチェイスシーンの石川と立花、本当にかっこいい…

・コンビニでの防犯カメラチェック中、立花と岡部さんの「ビンゴ!」が重なった時の石川の表情が好き。ちょっと笑いそうになってる感じ

・岡部さんの死因まじかよー!って感じなんだけど、でも、凄く理解できる…。不運だった。泣ける。

・スーツケースのポケットの「遺書」に凄く…、もう、どれだけ泣かしたら気が済むねん!!優しすぎる。切な過ぎる。末永く幸せに過ごしてほしかった。

・ラストシーン、石川の頰に伝わる一粒の涙が美しくて。

 

 

第六話「苦悩」(2014年5月15日放送)

・先生のために石川が頑張る回。そして立花がもはや何のてらいもなく小学生男子みたいになっている。笑
・いじけない、諦めない先生かっこいい。「次、噛みつきたくなったら、まず俺に相談しろよ」の石川もかっこいい。「早速噛みつきたくなってるんだけど」とコールする先生…やり取りかっこいい!

・サイ君&ガー君にお兄さんのことを打ち明ける石川。初めて話したのがこのふたりっていうのが、良い。「照れてる?」っていうのも…。

・「やっぱり俺の力が必要になったか?」の立花、頼られて嬉しいのが滲み出ていて良い…
・犯人の津川(医師:弓削智久)の動機がなあ…。ラストシーン、墓前に佇む石川が切ない。会って、死を選んだ訳を聞きたいと思っても、叶わない虚しさが胸に迫る。

 

 

第七話「敗北」(2014年5月22日放送)

・シリーズで一番ムカつく犯人の宇田川圭介(外務大臣の息子:矢野聖人)です。あの手この手がすべて封じられて、班長までもが…すごくモヤモヤする。
・撥ねられた大学生、横森君がいい子すぎて。ラスト、本当に…悔しくて。ワンコの飼主さんの、証言を翻す様が(自分が犬好きなだけに)辛くて。遣る瀬無い。事件が追えなくなったと知らされた時の、立花と石川の差が…

・「強過ぎるとヒーローじゃなくなっちゃう。怪人と変わらなくなっちゃうんだ」班長の心配と、石川の思いがすれ違っているのが切なかった。

・せっかく、犯人を追い詰めるたったひとつ残された証拠が見つかったのに…犯人は高飛びしやがったのだけど、願わくば、横森君のお母さんと石川の約束が果たされる日が来ますように。

・横森君、死んだ後も、犯人が捕まえられないんだという虚無感、絶望感を味わなくてはいけなかったんだと思うと、残酷すぎる。横森君の伝言が、石川を通して、お母さんに伝えられる日が来ますように。シーズン3があったら、この約束が果たされる場面が観たい。

・この回からもう、一気にシリアスモード突入ですね。(いや、ずっとだけど、より一層…)

 

 

第八話「決断」(2014年5月29日放送)

・「おまえ、いいやつだな」「今頃気付いたのかよ」「ああ、たった今」いじられ立花からスタートの回。

・先生の「気をつけて。痛みに支配されないで」という言葉、意味はすれ違ってこそいるけど、石川を「こちら」の世界に繋ぎとめようとする言葉だった。

・石川の頭の中の銃弾を取り出す手術をする=犯人を追い詰める唯一の手掛かりになる、という構図が凄い。

・警官殺しの犯人が鴨川管理官(警視庁刑事部捜査第一課 管理官:北見敏之)…おいいいいい上司ぃいいいいい!という。でも班長が犯人一味じゃなくて本当に良かった…!滔々と語る管理官、反撃の班長、止める石川、現れる伏兵・立花(暴走気味)!

・「俺は絶対に正義の階段を踏み外さないぞ」という石川にニヤッと笑う管理官。最終話への伏線でした。

 

 

最終話「越境」(2014年6月5日放送)

・このラストは…。リアタイ組じゃなくて、続編があって、本当に良かったと思いました。凄まじいラストに鳥肌が立ちました。こんなことって。当時、このエンドにいろんな説が飛び交ったんですね。それを検証する為にも、何度でも繰り返して観たい。

・ひろし君の霊体が、泣き崩れる両親の前で泣いていたのが、もう本当に悲しくて。自分が殺されたからというより、お父さんとお母さんが悲しんでいることに泣いているんだなと思えて。つらい。

・犯人の安藤周夫(大森南朋)が、本当に恐ろしい。死んで良い人間なんていない、と、三話で石川は言っていたけれど。

・お代はいらない、というサイ君ガー君、スズキさん、かっこいい。

・「おまえの為を思って言ってんだ!」と激昂する班長。でも、石川は、この先の長い自分のキャリア、人生には頓着していないんだろうなと…そのすれ違いが悲しい。

・釈放された安藤との対決の後、赤井に「相手が襤褸を出すまで待つこと」と諭されたけど、その解決策もあり得るんだろうけど、石川は、待てないよね…「ありがとう」と手を振るひろし君を直視できない石川。先生を置いて駆け出す石川。

・正義の為に人を殺せないだろう、と挑発されて、安藤を突き落としてしまう石川。「こちらの世界へようこそ」と死者となった安藤に言われて絶望の顔をする石川。このエンドが、この作品を傑作たらしめましたね。素晴らしい。まさか石川が、殺意を持って、犯人を死なせるとは。衝撃がでかすぎました…

 

 

第二シーズン「贖罪」(2017年10月29日放送)

・第一シーズンの最終話の終わり方が…だったので、リアルタイムで追いかけていたファンの方々の心痛たるや、大変だったろうな…と思います。

・巡査時代の経験を先生に話す立花。彼の「嘘がない」ところが本当に好き。先生と立花の同盟。

・赤井の店に闇の仕事人メンバーが集まって作戦会議してるの本当スキ。石川を助けよう同盟がここでも!

・班長も!!

・ラストが本当に秀逸です。傑作としか言いようがない…石川がどういう答えを出すのか?が、不安で心配で仕方ない2時間弱だったのだけど、腹落ちしました。正義を貫くために、悪の世界に身を浸す覚悟。

第一シーズンで、どこか危うかったというか、正義の世界にいながらも居心地悪そうに、揺れ動いていた石川の腹が座って、唯一無二の「モンスター」が生まれたな、と思いました。

・第三シーズン…モンスター化した石川の新たな世界を見てみたいのです。2014→2017→と来たら、そろそろ、あるんじゃないの…!?

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Commentary

金城先生のコメンタリー。読み応えあります。

第1回 発現|BORDERの作り方〜脚本・金城一紀WEBコメンタリー|BORDER|テレビ朝日

 

CAST・STAFF

サイ君&ガー君によるプロファイリング…?笑 小ネタ凝ってる。

#8 ガーファンクル|S&G行政書士事務所...の奥|BORDER|テレビ朝日

 

石川安吾(いしかわ・あんご):小栗旬
立花雄馬(たちばな・ゆうま):青木崇高
比嘉ミカ(ひが・みか):波瑠
市倉卓司(いちくら・たくじ):遠藤憲一
情報屋 赤井(あかい):古田新太
便利屋 スズキ:滝藤賢一
サイモン:浜野謙太
ガーファンクル:野間口徹

原案・脚本:金城一紀
監督:常廣丈太(テレビ朝日)
音楽:川井憲次
プロデューサー:山田兼司(テレビ朝日) 、太田雅晴(5年D組)

 

SONG

www.youtube.com

 

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