memo

好きなことだけ語りつくすメモです。

34.Lemon

米津玄師の「Lemon」。

昨年4月、祖母が亡くなった日に聴いて以来、聴くと涙が出るようになってしまい、辛くてずっと聴けずにいました。大好きな歌なのに。

大晦日に「紅白歌合戦」の生中継を見て、それから聴けるようになりました。まだじわじわと涙が出てきますが、何かが解けたような気がします。大塚国際美術館での生中継、本当に美しかった。

いい歌だと思います。本当に。

一生忘れたくない、忘れられない歌のひとつです。

 

f:id:shiofever:20190313095628j:plain

 

もうすぐ、祖母の一周忌が来ます。

3月に入ってから「去年のこの日、おばあちゃんとこんな話をしたな」とか「去年の今日、土筆取りをしたな」とか、まるでカウントダウンをするみたいに、祖母が居た日々を思い出すことが増えました。

まるでBefore・Afterみたいに「祖母が亡くなる前の自分」と「亡くなった後の自分」とは違う人間みたいだと、いつも思います。だいぶ「前」の自分を取り戻せたけど、それでも欠けたままのものは多い。友人が支えてくれなかったら、きっと、あまり笑うこともなかったかもしれません。

もういい年ですが、「無邪気で無敵だった自分」を喪ったのかなと思います。

 

祖母が亡くなる前の「Lemon」は、大好きなドラマ「アンナチュラル」の主題歌で、中堂さんと夕希子さんの歌で、1話ごとの様々な「大切な人の死に触れた人々」のための歌だと思っていました。3月初旬から約一カ月、ずっとエンリピするほど愛した歌でした。米津さんの歌は本当にどの曲も大好きですが、一番だと思いました。

www.youtube.com

 

祖母が亡くなった4月6日の朝、通勤中に母から電話を受けて、会社に行って、すぐ家に戻って支度をして、新幹線に乗って自宅に帰りました。その道程、ずっと「Lemon」を聴いていました。

心の中が空っぽで、すべてを遮蔽したくて何かを聴かざるを得ないんだけどどうしよう…と選んだのが「Lemon」でした。移動中ずっと聴いていて、地元に着いた時に雨が降っていて、ビニール傘越しに見上げて「歌詞と一緒だ」と思った鼠色の空を、私は一生忘れないと思います。

 

友人と「昔に戻りたいと思うか」という話をしていた時、友人は「できるなら高校生に戻りたい」と言っていて。私は今の自分の状態に満足しているので「戻りたくはない、やり直しもしなくていい」と言ったのですが、もしもう一度祖母に会えるなら、一緒に暮らした日々に戻れるなら、大学生でも、高校生でも、中学生でも、小学生でもいいから、戻りたいです。

 

www.oricon.co.jp

 

Lemon(米津玄師)

”夢ならばどれほどよかったでしょう
未だにあなたのことを夢にみる
忘れた物を取りに帰るように
古びた思い出の埃を払う

 

戻らない幸せがあることを
最後にあなたが教えてくれた
言えずに隠してた昏い過去も
あなたがいなきゃ永遠に昏いまま

 

きっともうこれ以上 傷つくことなど
ありはしないとわかっている

 

あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してた あなたとともに
胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
今でもあなたはわたしの光

 

暗闇であなたの背をなぞった
その輪郭を鮮明に覚えている
受け止めきれないものと出会うたび
溢れてやまないのは涙だけ

 

何をしていたの 何を見ていたの
わたしの知らない横顔で

 

どこかであなたが今 わたしと同じ様な
涙にくれ 淋しさの中にいるなら
わたしのことなどどうか 忘れてください
そんなことを心から願うほどに
今でもあなたはわたしの光

 

自分が思うより
恋をしていたあなたに
あれから思うように
息ができない


あんなに側にいたのに
まるで嘘みたい
とても忘れられない
それだけが確か

 

あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してた あなたとともに
胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
切り分けた果実の片方の様に
今でもあなたはわたしの光”