23.日本シリーズ
広島東洋カープ。34年ぶりの日本一を逃しました。一夜明けてもまだ、ぼんやりしています。今日も明日もカープの野球が観れるはずだと信じていたから。そしてやっぱり、新井さんの引退の花道を日本一で飾れなかったのが、悔しくて、寂しくて。
でも、カープの野球が何よりも好きなので、したためておきます。
2018年日本シリーズの結果
一昨年の日本シリーズよりも、昨年のDeNAとのCSよりも、内容は良かったと思います。4連敗で負けたという結果は一緒なのだけど。
【最終戦での勝ち星】
2016年(日本シリーズ/対 北海道日本ハムファイターズ) ◯◯●●●●
2017年(クライマックスシリーズ/対 横浜DeNAベイスターズ) ☆◯●●●●
2018年(日本シリーズ/対 福岡ソフトバンクホークス) △◯●●●●
今年の日本シリーズ、第5戦までは、本当に良い試合だったと思います。他球団ファンの方々に「ナイスゲーム、さすが広島」と言われるたび、誇らしかった。つい最近まで持っていた「でも、肝心な試合で弱いから、カープは」という、チームを信じきれなかった気持ちが消えていきました。
結果としては4連敗、しかも最後は完封負け。けれど誰のせいとか誰が一番悪いとか気合いが足らなかったとか、そんな風には思っていません。むしろ、シーズン中よりもずっと気合いが入っていて、凄まじい集中力で臨んでいたと思います。ヤフオクドームで、ソフトバンクとあんなに互角の勝負ができるなんて!選手一人一人の力が高められて、存分に発揮できていたと思います。
緒方監督の、早め早めの継投も良かったし、たとえば第5戦の延長10回、新井さんに替えて「代打・曽根」にしたような采配も良かったと思うのです。
でも、足らなかった。ソフトバンクの方が強かった。2016年の日本ハム戦よりもカープは強くなった、それでも足らなかった!カープが弱いんじゃない。ただ、ソフトバンクに、力量で負けていたのだと思います。
何が足らなかったのか。心の整理をつけるためにも、自分なりに、書き出してみます。
カープ野球=「機動力」
完全に封じられた。盗塁できない。打てなくても四球で出る、盗塁する、ピッチャーを動揺させて失投させる、そこを打つ。それがカープらしい攻撃だったはず。それが出来なかったら。
「甲斐キャノン」は想像以上に凄かったです。広輔も安部も上本も野間も刺されたら、誰も成功できない。(それにしても、よく8回もチャレンジしたな)
速い、そして正確。納得のMVPです。パ・リーグは西武の秋山推しだったけど、甲斐も注目しようと思いました。
盗塁技術をさらに磨くか、封じられた時にどういう戦い方をするか…が考えどころなのかな。
選手層の厚さと戦略
ソフトバンクの方が、野手も投手も、圧倒的に層が厚かったと思います。
カープの投手陣はまるで薄氷を踏むようなもので、大瀬良とジョンソンは素晴らしいけど、ノムスケと九里は状態による(神ピッチの時もある)。そしてそれ以外は先発がいないという…岡田、中村、薮田よしっかりしてくれ!中継ぎはフランスアとアドゥアが大車輪の働きでした、しっかり年俸をあげて評価してあげてほしい。一岡も良かった!(故郷に錦を飾れて良かった!)中崎は5戦目のサヨナラ被弾が強烈だったけど、それ以外はなんとか、なんとかだったと思う。
ギリギリのところで踏ん張っていたけど、ソフトバンクは出てくる投手がみんな素晴らしかった。特に第6戦のバンデンハークは凄かった。ギアを上げている、と解説が言っていたけどまさに。
やっぱり、投手陣の層の厚みは課題ですね。中村祐太と薮田よ〜先発ローテに帰ってきて…それにしても九里のポストシーズンは神だった。
気持ちを強さに変える
最後まで、菊池が打てなかった…何故なんだろう、とずっと首を捻っています。加えて、第6戦、守備ミスやバント失敗もあった。どうしたんだろう、広輔も丸も調子は上がっていったのに。めちゃくちゃ悔しいだろうと思います。あんなに新井さんのこと慕ってた。タナキクマル誠也の中で、ひとりだけ最後まで調子が上がらなかったのは何故なんだろう、不思議です。
「最高の花道を、新井さんに」の一心でやったはず。5戦目までは本当に良かった。でも崖っぷちに追い込まれた6戦目、一丸となって繋いでほしかったです。前田さんの2000本安打達成試合みたいに!
6戦目、新井さんが打席に立った時の大歓声は凄かった。そして9回表、1塁の守備についた姿を見て涙が溢れました。誠也で3アウトになった時、新井さんの最後の試合がこんな結末になってしまってと、悔しくて情けなくて、涙が止まらなくて。でも選手たちの方がきっとめちゃくちゃ辛いはずだからと。
けど、一晩経ってみて、まだまだこれから続いていくのかも、と思いました。「ユニフォームを脱ぐだけ」で、きっと新井さんの魂はみんなに受け継がれていくはず。新井さんはきっと、ずっとカープに関わっていてくれるはず。
それに、日本シリーズ最終戦が引退試合って、最高じゃないですか。しかもズムスタで、球場を真っ赤に染めたカープファンの前で!
最後の試合の最終打席が、若き4番、鈴木誠也。この2年で誠也はものすごく成長したと思います。昨夜の最終打席はきっと、一生忘れられないんじゃないか。
https://t.co/QCK6GSdk8v
— 朝日新聞 映像報道部 (@asahi_photo) November 3, 2018
プロ野球 #広島東洋カープ の #新井貴浩 内野手が3日、20年間の現役生活にピリオドを打ちました。日本シリーズ第6戦でソフトバンクに敗れ、念願だった日本一には届きませんでした。写真は最終打者の鈴木選手(右)を励ます新井選手です。(諫) #新井さん pic.twitter.com/TLh70kIu0U
この記事、新井さんの野間いじり、そうだったのか…!と膝を打ちました。9回裏、ベンチの野間が一瞬映った時、目が潤んでいる気がして。いろんな感情が込み上げていたんだろうなと思います。
(そもそも論)パ・リーグとの差
しかしパ・リーグは強い。ここ6年、ずっと日本シリーズはパの勝利です。交流戦の成績自体がパ圧勝なのだけど…何故こんなにも勝てないんだろうか、DH制があるからでしょうか?
ソフトバンクについて
第6戦の試合終了後、工藤監督の後にギータが胴上げされているのを見て、良かったなあと思いました(複雑だったけど)。広島育ちの生粋のカープファン、中盤までは完全に打撃を封じられてフラストレーション溜まってたろう。一昨日のサヨナラHRは本当に凄かった。その後、選手の皆さんがズムスタのライトスタンドに挨拶しているのを見て涙腺決壊しました。
ソフトバンクの方が強かった。ひとつひとつの小さな守備ミスや盗塁失敗がちょっとずつ歯車を狂わせて、いつものカープらしい野球が全然できなかった。守り負けです。日本シリーズつて、そういう次元の戦いなんだなと、改めて思いました。パ・リーグは本当に強いなあ。
それでも、一昨日までのカープは、強かった。一昨年の日本ハム戦よりも、短期決戦での戦い方を学んで、いい野球ができていた。
あと一歩。もうちょっとで手が届くはず。来年、4連覇すればいい。
日本シリーズは勝てなかったけど、長いペナントレースを3年連続で優勝するなんて、本当に昔のカープからは信じられない偉業を達成した選手、コーチ、監督の皆さんは立派だと思います。
優勝パレードで「ありがとう」と伝えたかった。4月に亡くなった伯父の遺影を持っていって、カープが日本一になったよと伝えたかった。叶わなかったけど、また来年にきっと。
ソフトバンクに勝てなかった。それはつまり、まだまだ、強くなれる余地があるってことです。そう思うとワクワクする!
そして、11月まで野球に熱中できるなんて、本当に幸せでした!本当に、本当に楽しいシーズンだった。
また来年も、応援を頑張ります。
(余談)
それにしても、始球式の吉川晃司は最高にかっこよかった!
たまたま見つけた記事。前田さん2000本安打達成試合の記憶が鮮明に蘇りました。
11/5追記
めちゃくちゃ感動した。黒田さん、粋なことを…かっこいいの極み。