memo

好きなことだけ語りつくすメモです。

15.宝石の国

ついに9巻が発売になりました「宝石の国」!ここしばらく、漫画では一番好きな作品です。

 

「宝石の国」の魅力について

アニメが始まってしばらくしてから知って、漫画全部揃えて、市川春子先生の過去作品も揃えて、アニメの配信を延々エンリピして、有楽町マルイのTVアニメ『宝石の国』展にも行きました。アニメのOP,ED曲も超好き…

7巻が2017年5月、8巻が2017年11月、9巻が2018年10月発売なので、次の巻まで…1年弱…?早く来年になってほしいです…!

 

※以下、めちゃくちゃネタバレ※

9巻が発売されて、打ちのめされ、だいぶ鬱モードになり…1巻から改めて読み返し、再び、お花畑ワールドからじわじわと嵐の真っ只中に放り込まれ錐揉みにされる感覚を味わうのでした。

本当に凄い漫画です。こんなにも主人公が悲惨な目に合う作品があるだろうかと…というか1巻のフォスフォフィライトとは既にほぼ別人(構造も性格も)。でもフォスなんだよなあ…理知的に、そして強くなっても、「動くたびに状況がどんどん悪い方へ転がっていく」という特性は一貫していて。本人はひたすら懸命に、仲間を月から連れ戻そうと必死なだけなのに。そこが不憫で…不憫という言葉も軽い気がして、適切な言葉が見つかりません。

何故ここまで「宝石の国」にはまるのか、私が思う魅力を洗い出してみました。

 

主人公:フォスフォフィライトの変化

1~2巻ではキングオブへなちょこだったけど、持ち前の明るさと口の達者さで愛されキャラだったフォスが…3巻でアンタークチサイトにしごかれ、感化され、4巻では強く立派になって。それが、良い方向に進めば良かったのに。

3巻では「向いていないとわかっててなぜそうも戦いたがる?」と問われ、「先生が大好きだから助けたいんです」と答えていたフォスが!先生と、仲間と戦うことになるなんてなあ…

6巻、みんなで戦った後「みんなと/一緒に戦うのはいいね」と呟くフォスが泣いてるのが…改めて見返すと、泣ける…

フォスフォフィライトの変貌ぶりダイジェスト

1巻…動物?と会話できるようになる
2巻…両足が無くなり貝殻アゲート義足に&無職
3巻…両腕を無くして金・白金に/アンタークチサイトが連れ去られる/強くなる
4巻…すっかり性格が変わり白昼夢を見まくる/先生に不信感を抱くようになる
5巻…疑心暗鬼な性格に/シンシャに振られる
6巻…ゴースト(表層)が連れ去られる/自分の頭部を連れ去られる
7巻…ラピスの頭部を接合される/起きたら102年経ってた/月に連れ去られる(計画的)
8巻…月で仲間達が星の砂になっていることを知る(絶望)/左目を抉られ合成真珠を嵌められる/工作活動の末、有志8名を月に連れ去る
9巻…残った組に「仲間ではない」と言われる&戦う&まっぷたつになる/カンゴームに頭を砕かれる

いやーすごいな。やる事なす事裏目に出てる感すごくて、月人側に付いたのもどう…なるのかと…失敗なのでは?という不安が凄いです。今後の展開が怖いよ…!

 

散りばめられた謎

改めて読み返すと、金剛先生は何故、1巻初っ端でフォスに「博物誌を編む」仕事を与えたのか、何を期待していたのか?と疑問に思いました。「現在を保存し未来の不意に備える/重要かつ創造的で知的な仕事だ」という目的の意図は何だったんだろう?いずれ来る、宝石たちとの歪な関係の終わりを予期していたんだろうか??

他にも謎はいっっっぱいありますが書ききれないので、思いついた端から追記しよう…

※blog末尾に追記しました(10/29)

 

キャラたちの愛くるしさ

宝石達がつよい!かわいい!おもろい!みんなキャラがめちゃくちゃ濃い!!

それだけじゃなく、言葉がきらきらしていてズシンときます。アンタ―クチサイトの言葉「低硬度から勇気をとったらなにもない」(3巻P.63)が胸に来る。

金剛先生や王はもちろん、月人達すら愛くるしくておもろくて切なくて、誰一人として憎めない…全員、誰かを騙したり欺いたりしているようには見えなくて、ただ静かな絶望の上に佇んでいる感がすごくて、先が読めなくて苦しいほどです。

 

死生観

宝石達は、砕けはするけど死なないので、作品自体に横たわる死生観が独特だなあと思います。

特に、2巻のP.42にある、フォスと王の対話がズシンと来ました。

「死ってどういうもの?」「いなくなるってことかのう」「見えないけどどっかにはいるんでしょ?」「どこにもいないし/絶対に見つからない」「呼んでも聞こえないの?」「呼ばれてももう自分が誰だかもわからなくなってるんじゃ/ただ/死は何もかも台無しにする代わりに生を価値あるものにする/そう悪いものでもない」

今年の春以降は、亡くなった身内が傍に居てくれたらなあ…といつも思っていたので、改めて読み返した時「呼ばれても自分が誰だかもわからなくなっている」のフレーズは、ぐうっと来ました。

 

絵の美しさ

もう本当に絵が美しい…!本文のモノクロも、表紙や人物紹介のカラーも。キャラも可愛いし、特に光や空間の描き方が、本当に素晴らしいです。

そしてアニメ!ぬるぬる動くので、特に戦闘シーンは最高でした。漫画では、激しい動きをイメージしきれないところもあったので。早くアニメ第2期を…渇望…

land-of-the-lustrous.com

本当に大好きな作品です、「宝石の国」。早く結末が知りたいけど、終わってほしくない。幸せなジレンマです。

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10/29追記「宝石の国」の謎について

先生

1.フォスに博物誌編纂の仕事を与えた理由は?(1巻)
2.月人の襲来の意図について「装飾品にするため」と嘘をついていた理由は?(8巻以降、隠蔽やごまかしの素振りが一切無かった/そのくせ「しろ」「博士」については知らぬ存ぜぬを通していた)
3.先生は何のために造られた?自身のことを「祈るための機械」とは言っていない(発言が禁止されている為)。「古代生物」によって造られたモノではあるらしい
➡月の狙いが先生にあるのは事実っぽい(9巻、宝石たちの前での告白より)
4.2巻冒頭、夢の中で合掌しかけて、なぜやめたのか?(手を合わせかけて「あ/夢か/あぶない」と言っている)*謎6とリンク

判明している事実

A.自己修復機能がある(昼寝はその機能のため?)
B.緒の浜で生まれた鉱物生命体に目玉(=魂?)を入れている(月人達が言っていた「よく採れたアポフィライト」は、目玉(魂)を入れられなかった鉱物?)
C.「解決策を探したが、宝石を犠牲にしながら闘争を永続させ、現状を維持することしかできなかった」らしい(9巻)

 

月人

5.なぜ襲撃の際の見た目が仏教テイストなのか?(私服?との違和感。先生の宗派?に合わせているのか)
6.なぜ先生に「祈ってもらえない」?(本当に、先生が壊れたからか?)
➡「#考察の国」タグより、どなたかが「祈る対象ではないから。エクメア達は仏教以外の宗派なのでは」と書かれていたが、それは大いにあり得るのでは。仏教は「祈る」ではなく「仏様を信じて仰ぐ」では?エクメアの”壊れて祈ることを止めた”という言葉を鵜呑みにしていいものか…

7.なぜ「人間合成実験場」があるのか?(月人の望みは「無になること」なのに、なぜ必要なのか)
➡「#考察の国」タグの、どなたかの考察より…”エクメアの手元にはすでに肉(アドミラビリス)と魂(月人)がある。手駒になる骨(カンゴーム)も手に入った”。月人の望みは「無に帰ること」ではなく「人間を創造(復活)させること」じゃないのか?
➡ならば、先生に何をさせたいのか?そもそも、狙いは先生ではなく、やはり宝石(骨)を捕らえること? >>>いやでも、「月の狙いは私にある」と9巻で先生が言っている…

8.なぜ宝石の合成機械があるのか?宝石たちのレプリカを作る理由とは?(エクメアの言葉が本当なら)先生を刺激するための武器として?(そんなに使っているか?)
9.フォスの左目を取り出して合成真珠を入れた意図は? ①監視の為(信頼していない) ②目玉が欲しかった? ③思念をコントロールをする為?
10.「よく採れたアポフィライト」とは?(8巻でフォスが捕らえられた時に月人が言っていた言葉=真実)
➡アポフィライトは、フォス達のように喋ったりする個体ではなかった?緒の浜で原石が生まれるのを、月人たちが採取していた…ということ?(何のために?)
➡先生が目玉(命?)を与える前の個体を、月人が採取し続けていたということなら、「宝石を月に連れ去ること(採取)」は、「先生を刺激する為」以外の意味があるということ?
11.エクメアが宝石たちの名前、性質、関係性をすべて把握できているのはなぜ?(8巻、初対面のフォスにアンタークチサイトの模造品を見せたり。揺さぶる手口が的確すぎる
➡情報源はどこ?
12.なぜ、アドミラビリス族のウェントリココス王を地球に連れてきたのか?宝石を飲み込んで月に連れ去ろうとしていた?(その割には、その後接触がなかったような)

 

エクメアの言葉って本当?シリーズ


13.「無になりたい」という目的は、真実か?
➡アドミラビリス族の言い伝えでは「清らかな地を得/再興のため/肉と骨を取り戻すべくさまよっている」と言われている。これが真の目的なのでは?
14.本当に、硬度6以上の宝石は、粉々になっても復元できるのか?
15.攫われた宝石は、本当に粉々にされているのか?大地に撒かれたのではなく、どこか別の場所にいるのでは?
16.先生の正体は、エクメアが語った通りか? 月人のために作られ、人間が最後に作った祈りのための機械で、人間の肉体および魂を瞬時に分解してしまう強力な破壊装置。月人という分解されていない魂があるにもかかわらず仕事をしなくなってしまった。だから刺激するために宝石を攫っている”
17.”攫った宝石”誰のこと?「攫った宝石への説得と協力/ほとんどのものが自壊するか異常をきたした/そのまま戻したこともあるが以前動きがみられなかったので再度回収した」
18.攫った宝石に、何の話をしたのか?”これまでに攫った宝石の半数が自壊or異常をきたした”…自壊する程ショッキングな話?フォスが8巻で大きなショックを受けたのは”攫われた宝石たちが月の砂になっている/先生は祈りの為に造られた破壊兵器/宝石が攫われるのは先生の所為”だからでは?
➡もしエクメアの話が本当ではないとしたら、何のために宝石を攫ったのか?(9巻までの結果として)①たくさんの宝石(骨)が月人の手元に残っている ②フォスフォフィライトの工作により、多くの宝石が月に渡った

 

宝石

19.28名いる?(1巻で”28名”と言っているが、どこまで含めるのか?)
・登場した宝石たち:フォスフォフィライト、ゴーシュ、モルガナイト、ルチル、シンシャ、ベニトアイト、ジュード、ダイヤモンド、ボルツ、ユークレース、レッドベリル、ネプチュナイト、イエローダイヤモンド、ジルコン、オブシディアン、アメシスト、アレキサンドライト、アンタ―クチサイト、ゴースト(カンゴーム)、スフェン、ペリドット、レッドベリル…ここまでで22名
・月にいる?:ヘリオドール、グリーンダイヤモンド、ルビー、サファイヤ、ピンクトバーズ、ピンクフローライト?…6名
・どうなった?:レッドダイヤモンド(1番最初に目玉を入れられた鉱物生命体)

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